+この前、なろう系女主人公は可愛くて強いから嫉妬しすぎてムカつく、って話をしたじゃないですか。
それで、思ったんですけど、最近放送されてるガンダム水星の魔女のスレッタもそういう無双系ゆるふわ女主人公じゃないですか。
でも「痛いのは嫌なので防御力に全振り」の主人公メイプルと比べてそこまで不快感はないなってことに気がついた。
この両者の違いは何なんだろうと。
そう思ったので考察します。
まずスレッタ(水星の魔女)は、どういうタイプの主人公なのか。
- ガンダムファイトが強い
- 親からすごいガンダム貰っている(七光り)
- 他のガンダム乗りに対して無双する
- うざいと思われている空気が読めない
- 最初敵意を持たれることがあるが、懐柔して行為を持たれる事が多い。(説得系主人公)
- 裏で色々と親に利用されている
そしてメイプル(防御力に全振り)はどういう主人公なのか。
- 運で強くなった(七光り系ではなく偶然系)
- 敵意を持たれる描写はなく、周囲の人は割と紳士的
って感じですかね。
なんかスレッタに対してメイプルの項目が少ない気がするな(防御力に全振りは昔見たのであまり覚えてない。)
でもこれで理由がわかった気がします。両者がどう違うのか。
というか、これ前々からボク思ってたことなんですけど…
それは防御力に全振りは、「読者にツッコミをさせる役割を与えている」ということなのです。
つまり、作中で主人公に対してのツッコミを避けている
例えば、主人公になんか鼻につくところや嫌なところがあっても、それを作中のキャラが「おいそれはダメだろ」とか「お前嫌い!」って言うと、
読者は「おいおい、わかるけどさ…そこまでいうことないだろ?」って思うじゃん?
そういう日本人的なまあまあ落ち着きましょうよ精神。が発動してしまう気がするんですよね
それが水星の魔女。水星の魔女の作中で、スレッタに敵意を持って接しているキャラがいるからこそ、読者側としては「そんな事言うなよ!スレッタだって頑張ってるじゃん!」って気にさせるわけですわ。
(まあそんな敵対していたキャラも懐柔されていくわけだから、ここらへんなろう女主人公らしさがあるよな)
対して「防御力に全振り」は、そこまで作中でメイプルのことを悪く言う人はいないわけですよ。(描写してないだけでリアル的に考えると絶対に悪く言うやついるだろうけど、それを作中で言わないわけです)
それを見て読者側としては「うわー、この作品、主人公の都合の良いようにしているんだな」「クソなろう系」みたいな感想になるわけです。
これがもし、防振りの作中で「あの主人公マジうざくね?」とか、「俺の今まで積み上げてきた技術があんなやつに…クソッ!」みたいな黒い感情があれば、「まあたしかにそうなんだけどさ…」って読者は成るはずなのです。
つまり言い換えるなら「防御力に全振り」は、そんな主人公に敵意を持っているキャラの役割を、読者自身が演じることになるということなのです。
この点こそが、よくあるなろう系の強みでもあると私は思います。
つまり、読者に不快感を与えることで結果的に商業的なアレを高くしよう、ということなのです。
不快感を与えると、それが話題に成ることが増えます。2ちゃんとかツイッターとかで話題に出されることが多くなるのです。
それを見て、他の知らない人たちが「そこまでいうならどんなもんか見てみたいな」「そこまで酷いのか?じゃあちょっと見てみるか」みたいになるのです。
結果、売上があがる…かもしれない。
つまり炎上系のやつであるといえますね。無名よりも悪名、みたいなさ。
エヴァも最終回が意味不明だったりシンジが気弱だったせいで、ファンが怒って、二次創作が盛んになったと聞きます。
まあそういうところありますよね。なろう系って。
でもそれを否定したいわけじゃない。何度も繰り返すが、ただ不快なだけで、存在を否定したいわけじゃないんだ。
こういうのが存在してもいいと思うんだよね。別にリソースは有限じゃないんだしそういう作品があって困ることはないわけだから。いくらでも自由な物があって良い。
まあ、水星の魔女というよりも防御力に全振りについて語っちゃったな。
まあガンダム自体がシリアスで、鬱展開多めのシリーズだからな。
多少なろう系の要素を入れたとて、鬱展開と主人公マンセーのバランスが取れててむしろちょうどいいのかもしれないな。
むしろ前作の鉄血のオルフェンズは、鬱展開が多めで叩かれてたからな。
正直アレは無いと思ったわ。
もっと俺を気持ちよくさせてくれよ!!って思ったもん。
でもさ…
なろう系では「は?こいつ恵まれすぎだろ」って思って、鉄血では「は?こいつら恵まれなさすぎだろ!」っていうの、すごいなんというか…ワガママすぎないか?
結論、視聴者はワガママ。