オーバーロードのレビューと裏テーマ(妄想)

オーバーロードって、結構賛否両論あるよね

 

賛否両論っていうか、アレだよね。

 

俺はゆ虐が好きなんだけど、何故かというとゆっくりが人間じゃないからだと思うんだよね

 

自分は結構人間至上主義的なところがあるから、動物は殺しても罪は軽いが、人間を殺すのは罪深いと思っている

だから猫や犬殺しに対して、割りと「でもしゃーないんじゃねーかな。気持ちはわかるけど…」っていうスタンス何だけども。

 

だから普通に人間殺している系のオーバーロードはなんか受け付けないところがあるんですよね。

 

まあ、だからといって僕はそこまで頭が硬いわけではなく、別に理由があるなら別に人殺しは肯定されることもあるだろうってスタンスなんすよね

 

実際戦争でそういう感じだし。現在進行形で起きているロシア戦争も、ウクライナは攻めてきたロシア人を殺していくのが正当化されなければ行けないと思っているし。

日本では死刑が肯定派が多数だし。

一般的観念として人殺しはある場合において肯定されているわけですよ。

 

でもまあオーバーロードのアインズは、割りと小さいことで人殺しをしているわけですよ。ただ侮辱されたからだとか。

それでいて、殺したくないやつは殺さないっていうね。なんかハンターハンターのゴンじゃないけど「人殺しなのに身内では仲いいんだな」みたいな「殺すやつと殺さないやつを自分の感情だけで区別するのってずるくね?」みたいな、少し違うけどそういう気持ちになるわけですよね。

泣いて馬謖を斬る」とか身内でも自分の信念に従って殺すこともあるとかだったら「あっぱれ」と言ってもいいみたいな。そういうスタンスなわけですよね。

 

 

でもまあ、僕は頭が固いわけじゃないから、それでもアインズの性格が極悪非道とかだったら分かるんですよね

「まあこいつなら普通に小さいことで人殺しをするだろうな」みたいな。そういうサイコパス的なキャラって魅力的じゃないですか

吉良吉影とかキルアとか。割りと人気キャラだし。

 

でもアインズの人格的に、そういうことをするやつに”一見”見えないっていうのが、なんだか納得感がいかないんですよね。

 

なんかアニメしか見てないけど、優男的な声じゃないですか。

外面的には「うむ、よくやった」「私の仲間に手を出すとはわかっているだろうな?」みたいな威圧的なのに対して、

内面は「うわ~やっちゃった~!」「どうしよう…これどうすればいんだ・・?」みたいな、そういう弱気キャラじゃないですか。

 

なんかそういう弱気なキャラが、そんな残酷な方法で殺しをするだろうかみたいな。

 

まあ、人殺しと言っても、例えば部下に命令して自分は手をくださないとかなら分かるじゃないですか。

 

今の政治とか、あるいは戦争とかでも、常に偉い人っていうのは自分の手を汚さないで、軽い気持ちで人を犠牲にするじゃん?

 

あれっていうのは、自分が殺したっていう実感がないからできることじゃん?

もし実感があったら絶対に人死には少ないと思うんですよね。

だってそういう偉い人っていうのは、たいていクソザコメンタルだし。

守ってもらえる人や環境がないと能力を発揮できないタイプの人間だろうし。

 

でもアインズはそうじゃなくて、普通に自ら手を下して人殺しをしているわけ

 

だから俺的には「え~!!お前そういうことするのか!?」っていうね。

 

そういう納得感が薄いわけなんですよ。

 

もっとこう、闇を出してほしいと思うんですよね。どす黒い。

大量殺戮を正当化してしまえるほどの、自己保身だったり無知だったり狡猾さだったり

 

それとアインズが自らの支配下になった国の国民に教育を施すかどうかみたいなシーンで

「教育させたら敵になるから、させないようにする」みたいなことを本人が言っているわけなんだけども、内面で可愛い声を出している人格のやつがそういうこと言うかなぁ…?

 

むっちゃ狡猾なことするやん…。自己保身的すぎるやん…あの声で…。

 

いやじゃあせめてそういうセリフは、優男の声の声優が言ってほしかった。

なんかあのセリフって、渋い声で言うわけじゃん。外面の方のかっこいい声でそういうわけじゃん。

それでファンは「やはりアインズ様は知略高い!」ってなるわけですよ。

 

でも優男の声で言ったら、「そうだな。教育を施したら敵になるかもしれないからやめておこうかなぁ…」みたいな。

 

その優しい声に対して言ってることは狡猾っていう。

そのギャップがあるわけじゃん。

視聴者が「あっ、コイツやばいやつじゃん」ってなるじゃん。

 

もっと狂いを出してくれよ。見せてくれよ。

ずっと優男声でいいだろむしろ。

 

大量殺戮シーンでも「この魔法では何人くらい死ぬかなぁ?」っていうのを平常的な感情で言ってほしいわ。

 

そのほうが狂ってて良い。

 

なのに、かっこいい方の声でいうから、なんか、ズルいわ。

悪さを感じない。サイコパス感が薄い。

平常心で悪いことをしているという狂気を、もっと視聴者に訴えても良いんじゃないかな。

 

あと、なんかそういうね、地味にギャグっぽさを入れつつ、シリアスさというか、そいうの。

 

なんかハンタの悪いやつが「弱いやつが向かってきてさー、子供が許してって言ったけどその場で虐殺したわー」「ははは、最悪だろお前w」みたいな。

ボマー組や旅団が内輪で仲良くしているみたいな、そういう感じのアレがあるわけですよね。

 

良いんだろうか笑ってもみたいなさあ。

まあ俺もゆ虐が好きだから人のこと言えないかもしれないが。

ゆ虐好きはゆっくりだから安心してサディスティックになれるわけで、人間相手に同じことをするのはダメだよ!っていう、謎の矜持がある界隈だからな。

 

 

そう考えると結構ゆ虐好きって、道徳的なコンテンツかもしれないな。(どんぐりの背比べ)

 

 

 

 

 

まあでも、無論、俺のほうがおかしいことを言ってるっていうのは分かる。

ただの創作じゃん。何いってんの?みたいな。なにゲームに熱くなっちゃってんのみたいな。

 

俺がそう思うのは、実際にそういうアインズみたいな人がいると知っているからなんだろうな

 

アレでしょ?議員二世みたいなのってそういう感じでしょ?大企業のボンボン息子ってそういう感じでしょ?

 

生まれた時から俺TEEEEE!みたいなのが、実際にいるから笑えないのかもしれないな。

 

はだしのゲンとかも、完全フィクションとかなら全然読めると思うんだよね。

 

なんかコロナが蔓延する前は、なんかそういう感染をリアリティの側面から作った映画があるけど、アレも今見るとやだなぁ…って思うし。

 

 

なんかアレに似てるよな。天気の子とかで洪水が出て「監督は被災者の感情を逆なでしている!」って文句が出たみたいな。

 

実際リアルがこんな悲惨な状況じゃなければ、あるいは無知であれば、「うおおおアインズすげえええ!!」とか「人間とかいくら殺してもいいだろwアインズが一番強いんだしww弱肉強食だろwww」みたいに俺も言ってるかもしれないわ。

 

だからなんというか、俺のほうが悪いわな。リアルと創作を混同してはいけない

でもまあ、別に感想を言うのは自由だよね?(毎回言ってるけど)

 

 

 

 

 

まあ、実際、強さ表現と言うか、世界観表現としてはかなり好きな方だなオーバーロード

 

前僕が言っていた、「面白さっていうんは設定(リアリティ)なんだよ」みたいな、そういう作品系統にオーバーロードは入っていて、設定とかが色々と沢山ある系の作品なんだけども。

 

なんかアイテムとかキャラクターとかの設定が大量にあるみたいな。それだけ見ていても楽しいみたいな、そういう感じ。

 

解説動画とか見て「面白い設定だなぁ」と思っているわけなんですわな。

 

 

 

 

 

 

あと、もう一ついいっすか。

批判よりの意見になるんだけど、

 

先程も言ったように、オーバーロードはリアリティ寄りの作品なわけですよね。

残酷描写も「リアリティがあるから良し!」っていう感じで評価されていると思うんですよね。

 

「言っても創作っていうのは作者の妄想なわけで、都合の良いことが起こり優しい世界になるのが普通、でもいいヤツが死ぬというのはそれとは真逆、だからリアリティが合って良いよね」

 

みたいな。その理屈あるじゃん?

 

なろう作品が批判されているのは、主人公に都合が良すぎるみたいな、そういう理屈なわけで、だから鬱展開や残酷描写を作り出すことが世間にとって一定の評価を出しているわけじゃん。

 

リザードマン殺戮とかもそういう感じなわけじゃん。

 

でも、オーバーロードにおいて、そのリアリティを崩す展開があるよなって。

 

そうそれは、忖度。

作者のお気に入り。(っぽく見えるキャラ)

 

例えば、村の娘みたいな最弱キャラが、アインズと出会って最強になるみたいな、そういう展開があるんだけど、

その村の娘はなんかもう、何もしてないけど主人公ばりの運の良さで、最強クラスになるみたいな。

 

あと、お姫様みたいな頭のいいキャラがアインズに取り入って、悪魔族になって想い人と永遠に暮らすみたいな。

 

悪いやつがアインズたちのおかげで生き残ってなんかギャグキャラっぽくなって仲間意識が強い良いやつっぽくなって、その一方で関係ない他の国民は死にます。みたいな。

 

 

 

理不尽に命を奪われるキャラが居るからこそリアリティがある!という一方で、

何もしてないのにもう人生上がりですわ。みたいな主人公補正的なキャラが居るわけなんですよね。

 

そういうことしていいの!?みたいな。この残酷な世界において、そんな得しかない人生を送るやつがいて良いんだろうか?みたいな

 

いやこれ絶対作者が優遇しているだけだろみたいな。作者が勝手に言ってるだけみたいな。

 

ハンターハンターヒソカがマチを殺さなかったのを冨樫が「なんか殺したら駄目なきがしたんで…」みたいな、そんな曖昧な感じのコメントを出した時みたいな、「ふざけんな冨樫!お前が女キャラ優遇したいだけだろ!」みたいな。

そういう感情になってしまうんですよね。

 

そいつらも何かを差し出すべきなんじゃないかみたいな。それがリアリティなんじゃないのみたいな

 

一方で、努力して強くなったやつとか、不遇だけどギリギリのところで生きているような冒険者とかそういう見上げた男がなんか一方的に殺される損する展開が多いよね。

 

やたら悪役が救われる展開が多いよな。

一方で善人が惨たらしくしぬ展開が多いよね。

 

なんかこう言うのを見ていると、努力しても意味ないなみたいな、そういう無力差を感じるから嫌いだな。

 

運だけじゃん。

 

そう、運だけなんだよね。

 

まあ、救われるキャラはアインズに気に入れられるっていう合理的な理由があるんだけどもね。

 

作者の忖度キャラと言ってきたけど、正確にはアインズの忖度キャラなわけだけど。

 

だから、リアリティがないと言ってきたが、ある意味リアリティがあるんだけども。

 

 

しらねーよそんなの。

って言いたくなるよな。感情的に。

 

だったらリザードマンとかも、なんか運だけで覚醒してアインズ倒すとかでもいいじゃん!みたいな。

 

なんか、リアリティあるじゃんそのほうが!ある意味!

 

「いやリザードマンとか死ぬだろ。アインズたちの敵にすらならん」って思ってた視聴者が、「ってええー!倒したぁ!?」みたいな。

逆リアリティってやつですよ。

 

そんなこと言ったら『アインズはそんなに弱くない!』みたいにファンに怒られるかもしれないけどさあ。

 

 

 

じゃあリアリティで考えるけど、アインズのお気に入りって、これから先無限に生きることになるわけじゃん?理論的には多分不死身な訳じゃん?でも、このオーバーロードの世界においても、色々な事が起きるわけじゃん。理論的に。そしてその色々な頃が起きるそのイベントの中に、そいつらが死ぬイベントも含まれているかもしれないじゃん。それがいくら低い確率だとしても、確率的に起こりうる事象な以上、無限に生きる以上、そのガチャをずっと引き続けるわけですよね。永遠に引き続けるならば絶対そういうイベントも起こるわけですよ。しかもあの大墳墓は色々危険なやつもいるからさあ。通常の場所よりも死ぬ確率が高いわけじゃん。なんか異世界からプレイヤー転移も定期的に起きるらしいし。その中でアインズより強いやつとか絶対いるよな。だから確実に死ぬよね。ハイざんねんでしたー。お気に入りたちは死にましたーアインズ含め全員死にます。リアリティ的に言うとそうなります。

 

 

 

まあ、ごめん。

 

よそうこういう話は。

 

多分、作者もわざとやってるだろうからな。

 

明らかに損する人得する人がいて、

 

そしてその命運を分けるのはおそらく、実力でも思想でも善悪でもなく、ただの運なんだろうなって。

 

そういうことを意識的に作ってるよなぁ

だって善人で救われる人と善人で理不尽に殺されるやつと悪人で救われるやつと悪人で理不尽に殺されるやつとか全パターン作ってる感じするもん。

 

そう、運。

 

実際、ある研究では金持ちになるために必要な要素は実力ではなくて運みたいなことを言っている人もいるわけですよね。

 

リアリティ的に考えると、成功するしないに実力や善悪は関係なく、ただの運なのだと。

 

これがオーバーロードの裏のテーマだと思います。

 

「結局生きるの死ぬも運次第。」

 

「幸も不幸も運次第。」

 

 

作者は元々TRPG好きらしく、そういうところもこの裏テーマ(俺が勝手に言ってるだけの妄想)につながるところがあるんだろうなと。