双頭アトさんの「5年口を利かない妻」レビュー動画に対するレビュー

5年口をきかない妻VS察する事ができない夫【コミックエッセイ「妻が口をきいてくれません」をゆっくり解説】 - YouTube

 

双頭アトという動画投稿者は、独自の世界観をもっていて、なんか普通の人がレビューしないようなマイナー作品をレビューしていたりする逸材なんですが

 

その人がある日こういう動画を出していたので見ていた。

 

レビューする漫画は、なんかこう、家庭内の不和をマンガ形式で進行していく、うちい三姉妹的な、家族のあるあるネタをうま下手な絵柄で紹介するみたいな。よくあるやつなんですが。

 

それで夫と妻どちらが悪いかみたいな、そういうレビューの仕方をしているんですよね。

 

最初は俺は妻のほうが悪いと思ったわ。

 

つまり右の子の意見に近い。

 

夫の仕事も妻の仕事も平等だとかどちらが大変だとか、

あるいは夫は妻の仕事を手伝うべきだとか、逆に妻は夫に対して感謝してないよねだとか。

そういうことは、別に仕方ないと思うだよな

 

人間は完璧じゃないんだし常に正しい判断なんて取れないわけじゃん。仮に自分よりも相手が辛いとしても、その人を憎んでしまうっていうことは、別にまあ、正しくないとしても、悪ではないでしょう。しゃーないことでしょうよ。

 

夫は妻がラクだと思って、自分の仕事のほうが辛いと思っていいし、妻も夫のほうがラクで自分の仕事のほうが辛いと思って良い。

 

でもさあ、それで5年間も口を利かないっていうのは、やりすぎなんじゃねーかと思ったわけだよね。

 

妻の夫に対する制裁が重すぎる。と思ったわけです。

 

何日か口を聞かないとか言うなら分かるけどさあ…5年はもう夫婦である必要ないじゃんって思うわけだよね。

 

まあ妻もなんかズルズルとそうなってしまったみたいなところはあるのかもしれないけども。

 

まあ、つまり最初は夫のほうが道理があり、妻のほうが悪いのではないか?どちらかといえば 、と思ったわけですけど、

 

動画が進むに連れて、夫もやべえなと思ったわけなんすわ。

言い方ァ!というかなんというか

 

「甘口カレーに辛くなる調味料をかければええやん」に対して、「それだと愛がない」っていうね

 

「愛がない」ってなんか言っちゃダメだろって思うわけなんですよね。なんかもうね…

愛が欲しいって言って愛が与えられるのは、愛がある関係で成り立つものじゃん。

 

愛がないのに「愛をくれ」って言っても「いや無理だろ」ってなるだろ

 

 

それになんというか、妻は別に家事を手伝ってほし訳じゃなくて、なんか夫と仲良くしたかっただけじゃんみたいな反論を左の子がしているわけですよね

 

それを聞いて、俺は「ああ、両方とも悪いな」って思いましたわ。

 

なんかこう、お互い「愛をくれ」ってお互いに要求しているわけですよねつまり。

 

そんなんでやってけるわけないじゃん。仲いいっていうのはなんかこう、お互い相手に与え合うものじゃん。

 

でも俺がもし、こいつらだったとしたらと考えると、なんかもう、

 

でも、いや、なんかもう、「両方とも悪くない」のではないかと。

 

なんかそういう関係で相手に愛を与えるっていうのは、もう無理じゃん。そういうなんというか心の距離が遠くなった状態っていうのは、見た目以上になんかもう、ダメなんだよな。

 

なんかもう、戦いなんだよね。相手が敵になっているわけじゃん。

自分がスキを晒したら負け状態になるわけだよね。なんかイクサバのようなものじゃん。

 

もう本来の仲良くしたいという意図から外れて、お互い殺し合ってるのよこいつらは。

 

でもコミュニケーション強者は、自分がスキを晒し続け、相手に無視されて、そしてその自らの負けを何度も繰り返すことによって、相手の信頼を得るわけですよね。

 

そのくらいコミュ強っていうのは多分存在すると思うわけですよね。俺には信じられないが。

 

でもさあ、そういうのってすごい、才能だよね。

なんかもう熟練のハンター並みの、そういう才能が必要なんだとオム訳ですよね。そしつだったり覚悟だったり。

 

 

だからそういう技量を、こいつら一般人に求めるのは酷だと思うわけですよね。

 

「どちらが悪いか?」議論をする人はコイツラを見て、「いやこいつがもっと相手のことを思って行動すればよかったやん」っていうのかもしれないけど。

 

じゃあお前は実際にそれができるのかよ、って思うわけですわ。

 

それに対して「できる!」とか断言するやつ、

それって子供が「ペット飼いたい!毎日世話するから!」っていううらい信用できない言葉だと思うんスわ

 

そう思うのは、俺がコミュニケーション弱者だからなわけですよね。

 

あの空気感、本当に辛いんだよなぁ…

 

だからもう「どっちも悪く無いじゃん」

 

もう別れるしかないじゃん。…

 

 

なんかさあ、双頭アトのこのレビューは、二人のキャラがお互いに「夫が悪い」「妻が悪い」という風に弁護士検察官スタイルで戦う形式なんだが、

 

なんかもう、「確かにそうだわ」とか、「いやそれは違うやろ」とか、「それは妻が悪い」、「それは夫が悪い」、「いやそれは相手に求めすぎだろ」、とかね

 

 

聞いていてなんかこう、面白いわ。自分の倫理観と言うか心の動きと言うか。

それが反復横跳びするわ。

 

それを体験したいがために俺はこういう動画を見てしまうのかもしれない。

 

ただ俺が思うのは、このキャラは根本的に「人は完璧な存在である」という認識が強いなと思った。

 

いやいや、弱者だから。人間なんて全員、こんなもんだろと

 

例えば右の子が「妻が5年も口を利いてないのに、結婚して夫のお金を使い続けている」

という指摘に対して「まあ金は使うでしょ。だって人間って弱いし。しゃーないだろ」って俺は思ってしまうな。

 

 

まあでもなんというか、この動画を見て、なんか裁判長の気分を味わえたわ

 

っていうかなんかこう、裁判長ってやばい職業だなと思う

 

自分の勝手な価値観と、あるいは裁判官検察官の言い分で、一人の人間の運命を決めるだなんて…

 

もしなんか「有罪確定」と思って、その後に追加情報でなんか「無罪」と思ってしまったら、みたいな。

 

情報は全部出し尽くしているのか?っていう、そういう心配に常に襲われる