グランクレスト戦記(アニメ)の評価、レビュー

 

グランクレスト戦記について感想を語ります。

 

 

©2017 水野良深遊/株式会社KADOKAWA刊/エーラム魔法師協会

たまにある、こういうなろう系ではない、王道ファンタジー路線。

昔は石鹸枠とか言われていたらしいですが、まあ嫌いじゃない。

 

いや石鹸枠はなんというか結構カジュアル的な雰囲気なんだけども。俺TUEE系といいますか。

 

これはなんというか、グインサーガみたいな、そういうシリアス的な雰囲気。まあたまにシュールなところとかエロ描写はあるけどさ。少なくとも作中ではそんなにギャグ的な雰囲気はない。

 

そういうやつです。グランクレスト戦記は。どちらかといえば、視聴者が突っ込身を入れるというか、そういうたぐいのやつ。

 

 

 

 

この作品で一番気に入っているところは、システマティックなところです。

 

普通ファンタジー作品は、超常的な力、魔法が使えるとか、気が超能力が使えるとか、そういったものはフレーバー的なものであり、なんというか、そんなにその法則性とかに言及しないところがあるじゃないですか。

 

あっても魔力が切れたら魔法が使えないとか、そういったもの。

 

 

でもグランクレスト戦記は、きちんとその超常的な力のエネルギーという概念があって、そこにしびれたよね。

 

具体的に言うと、この世界では、「混沌」と呼ばれる、魔力とかマナとかいう、魔法を使うためのエネルギーがあるんだが、

 

その混沌は空気中にたくさんあって、それが魔法使いやモンスターの行使する力のエネルギーにもなるが、それが意図せず思わぬ作用を引き起こすらしい。

 

だから混沌は、災害の原因にもなるし、科学が発展しなくもなるらしい。

 

 

具体的に言うと(妄想すると)、

例えば、湿度が「混沌」の作用によって意図しない数値になって火事が起こるはずのない場所で山火事になるとか、

金属の電気の通しやすさが、混沌の作用により、あるときは通しやすくなり、あるときは通しにくくなるので、何度実験してもバラバラの数値を出すので、機械が作れないとか。

 

でもそれを無くすための方法が、聖印と呼ばれるもので、

 

ある特別な力を持つ人間が、「混沌」を「聖印」に変換することで、この世界から混沌を消滅させることができる。

 

 

その聖印を作れる人間を君主と呼ばれていて、そういう人が国を統治することを許されている

 

そしてその聖印を他人に一部渡して従属させることもできるし、逆に他人の聖印を奪うこともできるみたいな。

 

そして聖印には大きさの概念があって、自分より大きな混沌は吸収できない(しようとしたら逆に聖印が混沌になってしまう)とか。

 

 

そういう、エネルギー的な概念があるのが、痺れたよね。

 

普通ファンタジー作品にこういうシステマティックな概念ないよな。

 

なんかそういうのはもっとフワッとしてるじゃん普通は。

 

 

 

 

 

あと、もう一つ思ったのが、作中にアレクシスとかいう、一見聖人すぎるキャラがいるんだが、最初見たとき「あっ、こいつ何か腹に一物あるな」みたいな。

そういう聖人すぎて逆に怪しいキャラがいたんだけど、結構普通に最後まで善人だったわ。

あと主人公のテオとかも普通にいいやつだし彼女大事にしすぎだし、プリシラとかいう宗教における救世主とか言われている胡散臭いキャラもいたけど普通に信心深いいいヤツだったし、

 

なんかそういう結構、真っ直ぐなところあったわね。

なんというか、最近の作品はひねくれすぎてて、逆に真っ直ぐなのが新しいみたいな。

 

いやなんというか、聖印とか混沌とかの世界観が独特だからこそ、そういう人間事情はあまりひねらないで情報量を抑えてたのかね。

 

 

 

 

 

ああでもテオは結構、一見王道の不殺系の印象というか、仲間が死ぬのが耐えられない的なイメージだったけど、結構殺すときはちゃんと殺すんだなって

 

あのシーン結構インパクトが有ったわ。

ゴンがゴンさんになったみたいな。「お前…そういうこともできるのか」みたいな。

 

 

 

 

 

 

あとまあ、視聴後、色々と疑問があった(混沌を聖印に変換してるのは分かるけどその理由は?とか)ので、色々調べてみたんですがね

あむゆわ:グランクレスト戦記の楽しみ方 - livedoor Blog(ブログ)

 

グランクレスト戦記はもともとTRPGだったらしいな。

TRPGとは、会話と紙と鉛筆で進行するゲームのこと)

だからこういうシステマティックな感じだったのかと得心が行った。

 

 

 

 

あと、このブログ記事は結構グランクレスト戦記のファンらしく詳しく解説していて、色々と意外な情報を得たよね。

 

個人的に意外&面白かったのは、

 

  • ミルザーという、主人公と対極のライバル的なキャラがいて、割りと「殺しは最高だぁー!」みたいな発言してたけど、結構「民は戦争に参加すべきでなく俺みたいな戦闘狂が全部殺す」みたいな温情がある信念を持っていたり(逆にテオは民を聖印で強化して戦闘に参加させるスタイル)
  • この世界にある聖印を全て合体させると、混沌をこの世からすべて消すことができるグランクレストという聖印を作ることができるが、アニメの最初のシーンはそのグランクレストを作ろうとしたら、混沌がこの世界から消えるので魔法が使えなくなるのが嫌だから妨害しにきたモンスター
  • 混沌が原因で、異世界の人やアイテム神を召喚することもあり、異世界転生的なことをしたり、他の神話からキャラを持ってこれたりするとかできるが、それはコピーであり本体は変化がない

 

とか、

 

こういう設定、好みですわ。

 

正直わかりにくさというか、アニメという媒体でこういうのを全て理解させることはできないが、こういうシステマティックなところが、俺のツボですわな。