魔法少女マジカルデストロイヤーズのレビュー(これ、ええんか…?)

魔法少女マジカルデストロイヤーズ #12「好きなものを好きなだけ」 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

 

言われてますねぇ。稀代の糞アニメと。

 

まあなんかエルシャダイのラストを彷彿とさせるよな。

 

つまり「全力で未完成」ってことだよ

 

まあね。正直俺は素人作品を見慣れてるから別にっていう感じだけどもね。

 

なんかこれアレだなと思った。

 

なんかどっかのブログで、「なぜガンツは面白いのか」みたいなことが書いてあったんだけど、アレを思い出したよね。

 

いやガンツだったっけ?まあなんというか創作論というか、「週刊連載」において人気のある作品を作るにはどうすればいいのか、みたいな。

 

その記事での答えは「伏線を張りまくる」「読者の予想を裏切り続ける」という結論だった。

 

まず伏線を張ることで、その作品に期待があるまるじゃん。

 

「え?!なんでこのときこのキャラはこんなことをしたんだ!?」とか、そういう謎を残しておくというかね。

 

 

そして、「読者の予想を裏切り続ける」

 

例えば、ふつうならABC、となるところを、ABE、とかABYとか。

 

いやわかりにくいなこのたとえ。

 

なんというか、死ななそうなキャラを殺すとか、絶対味方だと思うキャラを敵にするとか、

 

そうやって読者の期待を裏切り続けることで、こう、ジェットコースターやん?みたいな。退屈はしないよね。

 

でもこの方法には、一つのデメリットがある。

 

それは「収集がつかないこと」だ。

 

そう、だからこの方法は「週刊連載」だけに適用できる方法だと元ブログでも言ってたんだよね。

 

つまり、伏線を広げるだけ広げて、もうストーリーとかもぐちゃぐちゃになるだけなって、それをラストでまとめることができるのか?っていう問題がでてくるわけよ。

 

ふつうストーリーには、スタートとゴールがあって、まっすぐスタートから一直線に線を引くような展開はつまらないじゃん。

 

だから前述の方法のように、ぐにゃぐにゃに曲がりくねって、もうもうこれどうやってゴールに着くんだ?!みたいな、そういう期待があるじゃん。読者として。

 

例えば具体的な例を上げると、夏目アラタの結婚っていう作品があるけど、あれがそうだよね。

 

あれって、意味不明というか、「これからどうなるんだ!?ラストどうなるんだ!?」っていう期待があるわけだよね。

 

ジャンルとしては推理?サスペンス?になるんだろうけども。なんかラストでこの疑問を全て解消する答えがある、と期待しているわけだよね。読者としては。

 

そういう作品ってあるじゃん。これからどうなるんだっていう。

 

進撃の巨人とか、あるいはアニメ放送終了したマイホームヒーローとか平穏時代の韋駄天達とかも

 

 

まあ進撃はいい感じに伏線をまとめ上げたっていうのが、すごい評価できる点なんだけど、皆がああ言う感じにいい感じにできるわけないじゃん。

 

じゃあどうするのかっていうと、投げ捨てる。

 

それが一番楽だよね。

 

伏線を広げるだけ広げて、最終回はもうどうにでもなーれ~的な。

 

 

そう、だから長期連載しか通用しない手なんだよ。

 

そういうことしたら、一つの作品として見た場合、最悪じゃん。

 

もう最後投げっぱなしで、「いや途中で終わるなよ!!最後まで書け!!」みたいになるけども、連載中は少なくともそういうドキドキがあるわけじゃん。

 

最近ブログで取り上げた平穏時代の韋駄天達もそういう感じじゃん。投げっぱなしジャーマンじゃん。

(まああれは新都社というアマチュア界隈発の作品だから大目に見てほしいけどね)

 

 

まあね、話は戻るけど、マジカルデストロイヤーズ、これも同じ感じだよなと。

 

なんか途中途中で不穏な感じにさせといて、最後はなげっぱなしかい!!みたいな。

 

まあ制作者にそういう糸があったのかは分からないが。なんかこう、不穏にさせよう、伏線を貼っとこうみたいな感じにして、なんか最後はそれを回収せずにぶん投げた感というか。

 

まあこれは全員言ってると思うけども。

 

まあでもね。正直それが悪いわけじゃないと思うにょ。

 

さっき行った平穏時代の韋駄天達も、ラストが納得イカなくても、途中途中は面白いわけじゃん。

 

なんかサスペンス系のやつとかでも、途中は最高にハラハラして「これからどうなるんだろう!?」みたいな感じにしといて、最後はなんかがっかりする系の作品はあるけども、なんか映画とかでそういうの多い気がするわ。なんかスイッチを押すかみたいな感じの洋画みたことあるけど、アレもすごい期待させつつガッカリだったわ。

 

でもまあね。そういう系のやつ、ラストに不満はあるものの、途中は楽しめたからまあ良いじゃん。

 

でもデストロイヤーズは、そういうハラハラさせる途中のやつが下手だなと思うわけよ。

 

まあ唯一良かったのは、ジジイからパワーアップ系の薬をもらうためにフィギュアを~みたいな回があったじゃん。

 

割りとそこら編のギャグは良かった。チートゲーマーとか、車オタクとか、勝手に改造の多種多様な変態を相手に戦うみたいな感じの回は楽しかったわ。

 

でもシリアス寄りになってからその下手な感じがでてたよなって。

 

そういうのセンスが必要なのかもしれないがね。

いやセンスというよりも分量なのかもしれないわ。

 

ああいうね、エヴァの最終回みたいな、そういう雰囲気のシーン、多すぎないか?

 

別にああいうのはあっても良いんだけども。多すぎてまたかよみたいな感じになってたよな。中盤終盤。

 

上長すぎたというか、例えばオタクヒーローが「これは現実なのかまぼろしなのか、」みたいな回があったけども、あれも正直冗長だと思うわ。何回も往復するにしてもね。もっと省略してよかったんじゃないかと。時間的に。

 

あとアレだよな。自分たちが見ている現実は実は仮想世界でしたっていうのもチープというか。

 

いや別にその設定自体はいいんだが、勿体つけすぎじゃないか?

 

この令和の時代にそういう設定はまあね、あるあるだからな。

 

もしそういう世界の謎が、すごい今までダレもやったことがなかった展開なら、そのくらい勿体つけても許されると思うけども。

 

今どき仮想世界とか幻とか、もう出尽くした感じがするというか。パプリカとかビューティフル・ドリーマーとか有名作品があるからね。パプリカの監督でさえ「いやこれやり尽くしたテーマでしょ」みたいなこと言ってたじゃん。

 

まあチープならチープでもいいから、そんな勿体つけずにさらっと流して、その上でなんか話を進めるみたいな。あるいはキャラが可愛かったり、ギャグが面白かったり、そういう価値を付与したほうが良かったなと。

 

 

 

 

あと、わざとやってると思ってたけど、オタクヒーローが感情移入しにくいよな。

 

いきなりオタクヒーローが皆に期待されてる、みたいなそういう信頼度マックスの状態から始まるわけだけども、視聴者としても「なんでこいつがこんなに信頼されてるん?」っていうキャラ造形じゃん。

 

まあそれは「この現実が主人公にとっての夢だから、主人公にとって都合の良い感じになる、だから最初から信頼度マックスですよ」みたいな感じなのかもしれないが。

 

いやでもさあ、だとしても、もっとこう、主人公がどうやってあの組織を作ったのか、どうやって信頼を勝ち取ったのか、みたいなのを最初に提示してほしかったと思うわけよ。

 

そうすれば、キテレツだかが「君がボクのことを好きなのは、ボクがそう望んだからなんだ!!君の意思じゃなくて!!」みたいなそういう感じの展開にできるじゃん。

 

かつ、視聴者としても感情移入できるじゃん?

 

あと主人公の性格に癖が成さすぎるっていうのもね。特徴が成さすぎる。なんか「俺は漫画もプラモもアニメも好きだ!!」っていうセリフがあったけど、もっとここは絞っていいと思うわ。

 

いや絞るっていうか、オールマイティなオタクだったとしても、なんかアキバトリップの主人公みたいに熱しやすく冷めやすいみたいな感じの性格とかもできるわけでしょ。

 

あいつに比べたらなんかデストロイヤーズの主人公の悪さが分かる気がするわ。

 

まず具体的にオタク文化を楽しむ描写がないわけじゃん?(いや合ったかもしれないけども) アキバトリップの主人公はなんかアキバのバイトとかアマチュア無線とかイヤホンとか、色々と具体的に楽しんでいる描写があったから良かったけども。デストロイヤーズ主人公はそういうのがなくてなんか記憶力が良いっぽいところがあるってところがあるけども。なんかプロドュサーにハマったみたいな感じのアレがあるだけじゃん。

 

そして、アキバトリップと違って、デストロイヤーズにはヒロインがいないというね。いやまあ魔法少女3人がヒロインに当たるんだけども。なんか全然そういう感じじゃないわけじゃん。恋愛対象みたいな感じになってないわけじゃん。

 

いやなんか序盤とかはそういう描写はあったかもしれないが。忘れたけども。

ラスト、もっとそういう展開があってもいいでしょっていう。

 

なんか感情移入しづらさが合ったよな。メインキャラ以外にも魔法少女3人と主人公以外にも、もっとネームドのオタクを作ってほしいわ。

 

あの外人のオタクとかもレギュラーキャラにすればよかったじゃん。スパイっぽい感じで主人公たちと行動をともにするけども、なんか情が移って、みたいな展開にできるじゃん。そういうエピソードでいい感じに中盤の無意味展開の分の尺を稼げるわけじゃん。

 

 

まあ致命的に悪いところは、終盤にかけて匂わせまくっていた伏線をぶん投げたってところだと思うんだけどもね。

 

最後もっと伏線回収すれば評価マシだったでしょ。途中途中のサスペンス風味は、過剰だとしても皆やってることだし。

 

だからまずそういうサスペンス的な作品にしたいんなら、ちゃんとオチをいい感じにしないといけない、でもしなかった致命的な部分だと思う。

 

 

そしてその点以外にも、少しずつダメなところがあるっていう印象があるよね。実質的ヒロイン不在とか主人公の癖の無さとか。

 

っていうか陰鬱さとギャグの相性の悪さというかね。

 

ギャグならギャグに、陰鬱なら陰鬱に振り切ればいいのに。

シリアスにしたくてもなんかこうギャグっぽさが出てしまうというか